Amicus日本法人について

社員インタビュー

アミカスで働く社員の声: 私たちは…チームに貢献するひとりひとりの力を信じます

I.T さんのサムネイル写真
社員インタビュー
日本から中国、APECへ希望を届けるために
会社とともに成長していきたい
メディカルアフェアーズ本部 メディカル
I.T さん
これまでのキャリアと、アミカスに入社した経緯を教えてください。

私は中国・上海の復旦大学医学部卒後、中国の医師免許を取得してから東京に移り住みました。当時、ほかの選択肢もあったのですが、 現場に限らず幅広い視野でキャリアを生かせる道に進みたいと思い、企業に就職の場を求めました。

前職ではCRO(医薬品開発業務受託機関)のメディカルドクターとして、製薬企業が行う臨床試験(治験)のプロトコル(治験の実施計画書)の内容を 精査し医師の目線で治験に参加する患者さんの適正判断や治験の安全性を担保する仕事を行なってきました。

それはそれで充実していたのですが、あるとき偶然、ジョン・F・クラウリー氏のエピソードを目にする機会があったんですね。ポンペ病の我が子のために、 身一つで治療薬の開発に突き進む物語に感動し、「アミカス」という会社に興味が湧きました。元々「人の役に立ちたい」という思いで医師を志していたこともあり、転職を決意するまで時間はかかりませんでした。

入社後、何が日々のモチベーションになっていますか?

入社当初は何もかも未経験のことで戸惑いもありました。でも職場の同僚、上司が⾧年この業界や難病・希少疾患に携わってきたエキスパートばかりでしたので、それこそ「巨人の肩の上に立つ」ように、 様々な知識と経験を吸収させてもらえました。

もう一つは、社員を大事にしてくれる会社だという点です。私は入社1 年を過ぎた頃に妊娠・出産を経験しているのですが、実は日本法人初の「産休・育休制度」の利用者なんです。 妊娠を報告すると上司が迅速に動いて下さって、米国本社と同じグローバル・スタンダードのマタニティ・リーブ(産休・育休制度)を導入していただきました。 産休・育休明けもキャリアを諦めることなく働き続けられる体制をつくっていただき、とても感謝しています。これからも会社の発展と共に成⾧していきたいと思います。

I.T さんのお写真
日々の仕事を通じて、患者さんとご家族に届けたいものは何でしょうか。

私は外科医を目指して学んできたので、難病・希少疾患に関してはほぼ初心者という状態で入社し、ここで初めてこの領域が抱えるアンメットニーズを目の当たりにしました。同じ母親、娘、妻という立場にある人間として、 患者さんとご家族が直面する遺伝病に対する偏見やスティグマに衝撃を受け、保因者が持つ罪悪感や患児に対する愛情と表裏一体のネガティブな感情に複雑な思いも抱きました。

中国、そして日本でも地方によっては因習にとらわれるあまり、診断が遅れたり、治療そのものを拒否する患者さんやご家族がまだおられます。遺伝病に関するスティグマを取り払うには、一企業の努力だけでは力不足です。 難病・希少疾患と共に生きる方々と一緒にインクルーシブな社会をつくるためにも、医療従事者と患者団体、そして規制当局も巻き込んだ情報発信と活動が必要であり、力を尽くしたいと思っています。 私の子供たちも私の仕事を通じて慢性疾患や障がいを抱える方への理解を深め、見てみぬふりをせずに人を思いやる心が育つのではと思っています。劇的な変化は望めないかもしれませんが、 こうした毎日が社会を変えていくのではないでしょうか。

「患者中心」という理念を実現するために、どのように考え、行動していますか?

個人的には私のバックグラウンドを活かし、中国や文化的な共通点を持つAPEC 諸国の難病・希少疾患領域のアンメットニーズをすくい上げ、患者さんへ情報を発信していきたいですね。

中国の医療現場はこれまで、日常で遭遇する頻度の高い疾患、いわゆるコモンディジーズへの対応に追われ、難病・希少疾患への対応が後手に回る傾向がありました。 新薬に対する規制も厳しく、中国の患者会の方とお話しをしていると、日本の治験に参加できないかという質問がたくさん寄せられます。 ただ2020 年に前後して規制当局が希少疾病用医薬品を優先審査の対象としたり、医療保険での優遇や患者支援に関する法整備を進めるなど、 追い風が吹き始めているのも事実です。この機を生かせるよう「患者さんのために、役立てることは何なのか」を常に問い続け、日本の医療者と患者さんの声を世界にシェアしていけたらと思います。

I.T が日中翻訳ボランティアとして参加した中国の希少疾患支援団体CORD が制作した「力強い声」が伝わる動画はこちらからご覧いただけます。

※元アミカス・セラピューティクス インク会⾧兼CEO・現職はバイオテクノロジー イノベーション協会(BIO)プレジデント兼CEO
※2024年4月更新
NP-NN-JP-00020324